●特定失踪者問題調査会の群馬県特別調査


調査予定表は・・・こちらから



1万キロ現地調査第27回(群馬)報告 【調査会NEWS1938】(27.7.27)


(群馬に係るものだけ抜粋しています。)


以下現地調査の報告です。ご協力いただいた皆様にあらためて御礼申し上げます。


1 目的


(1)現地調査により個々の事件及び北朝鮮による拉致・工作活動への認識を深める。


(2)広報啓発活動を通し今後の工作活動を抑止する。


(3)現地で特定失踪者家族・政府認定者家族他関係者から北朝鮮向け短波放送「しおかぜ」のメッセージを収録する。


2 参加者


(1)調査会:代表荒木和博・副代表岡田和典・専務理事村尾建児・常務理事杉野正治・同武藤政春・同曽田英雄・ 計 6名


(2)家族会:増元照明 前家族会事務局長


3 調査対象者及び調査結果


<1> 横田道人


(1)氏名:横田 道人 (よこた みちしと)


(2)生年月日:1946(昭和21)年7月21日 (現69歳)


(3)当時住所:群馬県碓氷郡松井田町


(4)当時身分:会社員


(5)失踪年月日:1970(昭和40)年1月27日(火曜日)


失踪場所:群馬県安中市・群馬銀行安中支店前バス停


これまで明らかになっていた失踪状況


群馬大学工学部応用化学科を卒業し、東邦亜鉛に入社して1年後。


当日は給料日、会社の昼休みに安中駅前郵便局に預金している。残業後午後7時頃、安中市内の電器店にステレオの月賦を支払い、松井田駅行きのバスで帰宅する予定だった。午後7時30分頃、電器店前のバス停に立っていたのを同店主が見届けたのを最後に行方不明となり、その後全く手がかりなし。


■調査結果


道人さんの妹さん夫妻も現地調査に同行し、当時の道人さんの状況を再度確認するとともに最後に立ち寄ったとされる電気店で当日の細部状況を改めて聴取し、これまで明確になっていなかったことや新たに判明した事項を確認した。


(1)当時道人さんは松井田町の実家と安中市の会社寮と両方で生活していた。


(2)行方不明となった当日、来店の細部時刻は不詳だが道人さんは会社終了後、群馬銀行安中支店前の電気店に立ち寄り、月賦で購入していたオーディオ機器の当月分の支払いを済ませたあと、経営者の妻(故人)が勧めるままに店内で出されたお茶を飲みながら店主の娘さん(健在)も交えて音楽の話などをして、閉店時間の午後8時頃に店を出ている。


(3)道人さんが店を出た直後に経営者の妻と娘さんがシャッターを閉める際、群馬銀行安中支店前のバス停(高崎市内方面上りバス停)に立っているところを娘さんが現認していた。


(4)従って自宅(反対方向)に行くのでも、あるいは徒歩数分の寮に行くのでもなく、別の用件で高崎市内などに赴く必要があったものと思われる。ただし、ここから高崎市内まではバスで約30分かかり、下りの終バスはこのバス停を21時半頃だったので、短時間の用事であったと推測される。


<2> 加藤八重子


(1)氏名:加藤 八重子 (かとう やえこ)


(2)生年月日:1940(昭和15)年9月20日 (現74歳)


(3)当時住所:群馬県群馬郡群馬町北原(現:高崎市北原)


(4)当時身分:主婦・高崎電報電話局・局員


(5)失踪年月日:1978(昭和53)年9月22日


(6)失踪場所:群馬県群馬郡群馬町北原(現:高崎市北原)


(7)これまで明らかになっていた失踪状況


当日早朝、長女が母親(八重子さん)の部屋を見たら姿がなかった。夫は夜勤で不在。

前夜は二人の子供とともにテレビを見ていて、子供は午後十時過ぎに就寝している。

部屋は変わった様子がなく、本人のパジャマを除いて、現金、履物、衣類、鞄など何もなくなっていない。高崎署は事件の可能性も含め捜査を行ったが、全く手がかりが掴めなかった。


(8)参考

数日前に夫が勤務先で自宅の鍵が付いた車のキーを盗まれている。


■調査結果

八重子さんの娘さん(長女)と前橋市内で面会し、当時の状況について細部の聴取を行うとともに高崎市内の自宅周辺と当時の勤務先周辺の視察を行った。


(1)当時、加藤家では車を2台所持し1台はご主人が使用しもう1台は八重子さんが使用していた。行方不明となった際、八重子さんの車は自宅敷地内に置かれたままであった。


(2)八重子さんの行方不明に最初に気付いたのは長女で午前5時半過ぎ自分の寝室からトイレに行って、そのまま八重子さんの布団に入ろうと思い、八重子さんの寝室に行ったが本人の姿はなかった。


(3)当時八重子さんは家計簿にその日の出来事などの概略を日記風に記載していたが、その内容に自らの失踪を窺わせるような内容の記述はなかった。


4 参考


(1)群馬県高崎市で失踪した加藤八重子さんの勤務先に関連して、B子さんという加藤さんの後輩が加藤さんより3年もしくは5年前に失踪している。


(2)横田道人さんが失踪した1970(昭和45)年は勤務先の会社が後の「安中公害訴訟」に関連して工場の違法増設が前年に発覚したことから通産省によって工場の増設許可が取り消されたり、「鉱山法違反」で幹部2名に有罪判決が下るなど、会社側の違法性が明らかになった年でもあった。


(3)現調実施中、テレビの報道を見た人から別の失踪者についての情報提供があった。



■しおかぜ近況報告

専務理事 村尾建兒


7月23〜24日に実施した第27回1万キロ現地調査(埼玉・群馬)に参加されたご家族より「しおかぜ」メッセージの収録を行いました。


はじめに埼玉県朝霞市の居住地跡で種橋昭子さんの兄・種橋誠治さんから、次に群馬県安中市の目撃されたバス停付近で横田道人さんの姉・真藤真由 美さんから、最後に群馬県前橋市で加藤八重子さんの娘・松岡尚美さんからそれぞれ収録させて頂き、マイクに向うご家族は当時の事を胸に溢れる涙を 抑えながら懸命に訴えてくれました。


今回の現地調査はマスコミの取材も多く地元での関心はかなり高いようでしたが、現場の聞き込みや連日のテレビ、新聞報道に新たな情報も収集さられるなど、成果のある結果となりました。収録させて頂いたメッセージは8月8日 22:30〜初回放送を開始し、その後ランダムでリピート放送させ て頂きます。

収録にご協力下さった皆様に感謝申し上げます。


調査2日目の24日には群馬県警本部を訪問し外事課長等と面会を行い、また、 その後の記者会見では大澤群馬県知事への「しおかぜ」メッセージ収 録も要請、直後に副知事と面会、大澤知事のご協力を改めてお願いしました。


今回地元でご尽力頂いた「救う会群馬」大野事務局長によれば、群馬県庁は拉致問題について熱心に取組んで下さるとお聞きしています。

また、大澤知事 は海上自衛隊のご出身だそうですから、きっと力強いメッセージを頂けると期待しています。


inserted by FC2 system